はてなダイアリー平民新聞

創業2002年か2003年、平民金子の元祖はてなダイアリー日記です。

野枝さんのような天才が僕のような男と同棲して、その天分を充分に延ばすことの出来ないのははなはだケシカランというような世論がいつの間にか僕らの周囲に出来上がっていた。 その頃みんな人は成長したがっていた。「あの人はかなり成長した」とか、「私は…

看板のなかの青空の前で/僕は汚れた爪が気になってしかたがなかった/僕は芳香剤の入った小さな紙切れで自分の血を消して、/「在ること」の遠さだけが/今日も残酷につづくのかと思う/最低な、最低なノンフィクション/強いて言えば/僕は空っぽな重力だ…

ベースボールの訳者

横田順彌『明治おもしろ博覧会』より明治おもしろ博覧会 明治の事件・人物エピソード集作者: 横田順彌出版社/メーカー: 西日本新聞社発売日: 1998/02メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る ところでベースボールを「野球」と翻訳…

アレン・ギンズバーグのXA

まったくどうでもいい雑学なんですけど。引用。 つい最近ロバート・フランクが来日した際、おみやげに買ったカメラはコニカビッグミニだったと聞かされ、私は「しまった!」と思った。スイス生まれのユダヤ人フランクは、われわれ軟弱な情緒民族の日本人なん…

健康とは、満足せる豚。眠たげなポチ。(太宰治/もの思う葦)

【金平・公平】 ①イ:金平浄瑠璃の主人公の名。坂田金時の子で、剛勇無双、いろいろな功績をたてる。また、こ の名を冠して、強いもの、丈夫なもの、立派なものの意を表す。 ①ロ:金平浄瑠璃の略。 ②男のように意地強くたけだけしい女。 ③「きんぴらごぼう」…

丁度十年前になる。TV番組に水俣病を選んで、私は優秀なキャメラマン・原田氏と一しょに患者多発部落・湯堂に初めて入った日、私は部落の人々の嫌悪の眼を知らされた。丁度、水俣病は後遺症のようにあつかわれ、全く部落の中に封じこまれていた昭和四十年…

私は私を一種の機械と考え、私の肉体を操縦している操縦者を見きわめてみたいと思っております。もし見きわめることができるとしたら、私は運命というもの、そのものを見たことになるでありましょう。もちろん私ごとき者が、いくら逆立ちしても、運命そのも…

美輪明宏、三島由紀夫を連れて御徒町へ、「ジーンズと革ジャンを買いに」。

(「ぴんぽんぱんふたり話」瀬戸内寂聴・美輪明宏 集英社〜ISBN:408775295X)より 美輪 (前略)それからも、着ているものについてはよく言われました。私がビジュアル系のファッションで「メケメケ」を歌ったときも、三島さんは、「君の歌は天才だと認める…

野原一夫「回想 太宰治」

「先生、養生してください。」 太宰さんはすかすように私の顔を見た。 私は両手で膝をきつく握り、とぎれとぎれに口ごもりながら、 「ぼくは、なんだか、先生が、ほんとうに死なれる気でいるんじゃないかと、なんだか、 そんな気がして・・・・・・先生、養…

・情緒は私を支配する、論理より強く(伊藤整) *1 *1:画像は二月八日都電荒川線東池袋駅周辺八時頃

「滅びよ、滅びよ、いとしき我が身、 急げよ、たのしき地獄の門へ。 すべてのものの存在せざる 其處にこそ我が失ひし楽園はあれ。」(生田春月/滅亡の喜び) *1 *1:画像は二月六日都電荒川線東池袋駅周辺八時十五分頃

胸いっぱいの愛情だけで十分だと、きさまは思っている。そして、おそらく正しい女には、その通りだろうが、きさまは心臓なんぞ、もう持ってはいないじゃないか・・・・・・きさまは大きな、からっぽの膀胱以外の何ものでもないのだ。きさまは歯をといで、唸…

厩の一角、兵舎の物音から遠く、つめたい乾草の匂に寝転び、馬達の大きな歯が燕麦といっしょにかみくだく夕べの協和音のなかで僕はよく思ったものだ。「おれも世界もこうして暮れてゆくのだ」と。「こうして」とはどんな内容を指すのか、説明することのでき…

人間の存在の現実それ自身はつまらない。この根本的な偉大なつまらなさを感ずることが詩的動機である。詩とはこのつまらない現実を一種独特の興味(不思議な快感)をもって意識さす一つの方法である。俗にこれを芸術という。 西脇順三郎(超現実主義詩論)

苦痛さえ消えさるのだろうか、僕の心の中にある苦痛はでは何なんだ。つね日頃、狂乱のはて死ぬのではないかというほどの恐怖感を持った苦痛ではないが。生存のよろこびを知った人間が希求したものは現実に何なんだ、瓦解の世界にささいな抵抗を試みた人間に…

なるほど。人間、自分でしあわせだと感じられれば、もういうことはないんだけど、しあわせってのは、はかないもんですからね。 金子光晴(月刊「面白半分」岸惠子との対談)

あの室で叫ぶように言ったように、私はもっと世界を知りたい、否、歴史を知りたい。すべてを知って死んで…かならず死が有る人間の存在だから…逝けるのであるなら、それは素敵な一人生だと思うな。尤も永遠に、すべてとは知りえない不可能なことと理念ではち…

時代に没頭していては時代を批評する事が出来ない。私の文学に求むるところは批評である。 石川啄木(時代閉塞の現状)

どんなジャンルでも「何だこりゃ!?」という部分が全然ないものは、もはややってもしょうがない、と思う。帰ってすぐ仕事。外はいい天気なのに。久住昌之(渋さ知らズ「渋旗」ライナーより部分引用)

一つの時代が挫折するとき、一つの世界が挫折するとき、僕はその挫折の真唯中に あるのであり、僕を含めた一つの全体が挫折しているのだ、ということをはっきり と知らなくてはならないのだ。 (現代詩文庫・石原吉郎詩集・p116〜)

貞奴 〜流浪編

目覚めてゐることに疲れ やがて おびただしい吸殻が あなたの巨大な手から降ってきた*1 たまりにたまっていた洗濯物をナンとか片付ける。 図書館から借りていた久石譲選『カルテット・クラシックス』を かけながら、オレンジジュースを飲み、煙草に火をつけ…

・感じるだけで、考えない時代。それが、大正という時代の限界性として、 僕らの心にうつる。 ・古人の考えなどは死物だ。ただ、死物の注射でも、結構、人間は、一人 前な顔で通れるのだ。 (金子光晴/「詩人」第二部)

・私はこの頃、酔って自分がどうしたらいいだろうということばかり考えるようになっ た。酔えば酔うほど自分が不自然でたまらないのだ。 ・「これでいいのか?」僕はこの声をはっきりと聞きたい。 現代詩文庫「石原吉郎詩集」p100〜

(現代詩読本「現代詩の展望」) ●北川(透) 今*1の新しい詩人たちにははっきりとした敵が見えにくいあ るいはいない。それから攻撃的な詩人がいないということをおっしゃって、確か にその通りだと思うんですけれども、敗戦直後から六十年代までの詩と、今の…

戦争が終ったとき パパイアの木の上には 白い小さい雲が浮いていた 戦いに負けた人間であるという点で 僕等はお互いを軽蔑しきっていた それでも 戦いに負けた人間であるという点で 僕等はちょっぴりお互いを哀れんでいた 酔漢やペテン師 百姓や錠前屋 偽善…

・青空文庫小熊秀雄全集 http://gaku2003.hp.infoseek.co.jp/CHIHEI/OGUMA/OGU_FLAME.html 『書簡』のところに崎本つね子あてのラブレターがあるのだが、それが素晴らしい。 盗んだ魂が 木の葉であつても 悲しまない 人生がきまぐれで ダダがきまぐれで、あ…

池袋モンパルナス

本日は最終日であるからしてもお一度ひまつぶしに牛腸どんでもみに行こうかと計画しておったのだが、やはり一匹の池袋原理主義者としてこれはみておかねばナラヌかなあ と前々から思っておった、同じく最終日であるところの「池袋モンパルナス 小熊秀雄と画…

(吉原に来る/金子註)客に対するサービスとしては、歩きタバコが許されていた。 火事防止のため江戸市中では歩きタバコは一切禁止だったが、吉原の中ではご自由にお吸いくださいというわけだ。 大門もいちいち開けたり閉めたりせず、朝一度開けたら夜の閉門…

生き残った者のためのエピタフ(部分)/鮎川信夫*1

髭をそらない日はない 夢はもういらなくなった 聖者をうらぎった罰があらわれている 縦横家の仮面のうらとおもてに 六月の雨はしきりにふり 音楽はとめどもなく いつか堤防はきれるのだ ニュースと駄弁で耳を痛めた 悪魔のオーケストラの練習がうるさい 快楽…