真昼間。誰もいない商店街。ぼくがここに立つたびに。
この奥。ずっと奥の。或いは世界の。裏側から死んだ祖母が。
手をふって。やって来るんだけど。逆立ちした祖母は。
いつも。ぼくに向かって。あなたは誰ですか。

どこからやって来たのですか。なぜさかさまに生きているのですか。
問われたぼくは。頭をかいて。さかさまなのは。
婆さんの方じゃないか。と。言うのだけど。祖母は笑って。
大好きな。いちじくの実を。
あれは高校生の頃だったか、一度、祖母がくしゃくしゃのチラシの裏に、カタカナで自分の名前を書いて、自分は書くのはすこし練習したんだけどダメだった。でも読むのは、けっこう読めるんだよ。と少し誇らしげに言ったことがあり、オレはへえと相槌をうつだけだったけど、あのミミズのはった様な何文字かのカタカナを確かに見たよ。と、そのことだけで、祖母と母とオレの生まれた意味にはならないか。そんなふうに利用しちゃだめか、とバーさんに問いたくなるけど。なんか、いつまで甘えてんだとも思うけど。
大好きな。いちじくの実を。食べるばかり。
http://d.hatena.ne.jp/hitit/20070713
親愛なるhititさんに。