わがままな友達

 朝、コーヒーを入れようとケトルのスイッチを入れ、湯が沸いた時に子供を呼び、これは触ったらあかんやつやけどな、ちょっと見てみ、と言ってケトルのフタを開ける。すると湯気が顔の前にぶわーっと出たので、子供は「けむり、けむり」と喜んでいる。けむりを食べたいと言うのでまず私の顔の前に湯気を持って来て、たいして熱くもなかったので「ほんなら食べてみ」と子供の顔の前にケトルを持っていくと「けむり〜けむり〜」と喜んでいる。インフルエンザが大流行しているので、そんなら別に行かんでええわと園を休ませ、家で遊んでてええよと言うと「さぼっていいの?」と喜んでいる。「さぼってええけどあっこちゃんちょっとだけ仕事せなあかんから、その間おとなしくしとかなあかんで」と言ってフェリシモのやつを仕上げる。小さなことだけれど、幼いうちからさぼり癖をしっかりと身に付けてほしい。昼はホルモンご飯、家に帰って映画「ダンボ」を見る。ティム・バートン監督のバージョンがあるのを初めて知ってちょっと見てみたけど子供と見るのはこれじゃない、感がすごくてやっぱり古いディズニーのやつにした。ダンボが間違って酒を飲んで酔っ払う場面、酔いを描くイメージ映像がおもしろい。製作が1941年とか。さすがアメリカやなと感心する。初めて見た。おもしろかった。有名だけど見たことがない映画がけっこうあって、これからはそういうのを見ていきたい。わたしは「E.T.」を見たことがないのだ。夕方ホルモンショップに顔を出すと初めて来たお客さんがいて「うまい。めっちゃうまい。タレがうまい。おれ通うわ〜」と感動していて、なんかいいなと思った。いつのまにか子供が「(悪い意味ではない)理不尽な存在」から「わがままな友達」くらいに進化していて、長時間いっしょに過ごすにしても会話だとか、かけひきだとか、ずいぶん人間らしい感じになっているな、とふと思う。歩く背中を見たりしている時に。