はてなダイアリー平民新聞

創業2002年か2003年、平民金子の元祖はてなダイアリー日記です。

38歳

今年の12月まで生きていれば僕は38歳になる。
38歳といえば、10年前、僕にカメラの、写真のイロハを教えてくれた(当時の)カメラ師匠と同じ年だ。
というような事を、最近ちょっと意識した。
彼は、今の僕くらいの年齢の時に、10個下の生意気な自分に色々教えてくれたのか、と。
ちゃんとした写真を撮りたいんだったらまずちゃんとした靴をはけと言われた事とか、
初めて(…そして最初で最後になったけど)彼の部屋に行った時に、全く荷物が何もない部屋の中に卓袱台がひとつあって、
その上に「A Rose for Emily」と題された本が一冊だけ置いてあった事とか、
なんかもう、いろいろと。とにかく気取った人だったな。
精一杯気取っている人だった。当時の僕らといえば、しがない日雇い労働者でしかなかったのに。
いくらコルトレーンを聴いたって俺らの時給は上がらないし、いくらフォークナーを読んだって
あなたの部屋のベランダからは空き地に満開に咲いたドクダミの白い花しか見えなかったよ。
給料日の翌日にはパリパリのズボンとピカピカの靴をはいて出勤して来たカメラ師匠。
僕が二万円近くする靴を買ってはいていったら、めざとくそれを見つけてさ
「それでいいんだよ、それで。うん、すごくいい靴だ」と言ってくれたカメラ師匠。