はてなダイアリー平民新聞

創業2002年か2003年、平民金子の元祖はてなダイアリー日記です。

思想としての指パッチン

「ホワイトバンド+詐欺」とか「ホワイトバンド+募金+無駄」とかで検索してここに来る人が非常に多かったんで、気になったんで一言かいておきます。とりあえず創価学会の時と同じくこれまた自分の立場を明確にしておくけど、ぼく自身はホワイトバンドの活動が詐欺的であるとか、ホワイトバンドを買うにあたっての300円やその他もろもろの金の流れとゆうのが全くの無駄であるとか、そおゆう風にはまったく思っていない*1。ただ単に個人的な趣味嗜好の問題としてこのイカリングが大嫌いとゆうか、うさんくさいとゆうか。まあそれ以前にファッションとしてもまったくもってカッコ悪い。


だいたいにおいてぼくは白とゆう色が嫌いなのである。電車の中なんかでipodの白いイヤホンをつけてる人を見るたびに亡くなった祖母がきいていた、ラジオからのびる片耳イヤホンを思い出す。あとは数日前に公式サイトをみていて、文章を読んでる限りではなんとも思わなかったのだけどついついCM映像を見てしまって、見てるうちに何だか腹がたってきたのである。三秒に一人貧しい人間が死んでるとゆう事実は(あえて言うのだけど)それほど衝撃的ではなかった。それよりも、その事実を指パッチンで表現するとゆうあほくさい感覚が衝撃的だったのだ。


これは確かな筋から聞いた真面目な話なんだけど芸能界において指パッチンとゆうのはポール牧が独占特許権を持っていて、それはまあ現実の権利とゆうよりは目に見えないルールとして確かに存在していた。テレビ芸能とゆうものを知っている古いディレクターであればあるほどその事を熟知していて、バラエティ番組などで若手タレントが何も知らずに指パッチンしたりするのをたしなめたものだ。それをポールが死んだからといって、その特許(芸に対する尊敬の念)などどこにもなかったかのように、どこの馬の骨だかわからない若者が指パッチンをしまくっているその恐ろしい事実(死者に対する冒涜以外のなにものでもない)にぼくは愕然としてしまった。


生前ポールはインタビュアーの「あなたにとって指パッチンとは何ですか」とゆう質問に対しこう答えている。「指パッチンとは五本の指の相関によってはじめて成り立つものです。五本の指とは即ち天人五衰を意味します。まず親指を天にかざし頭上華萎(第一の指パッチン)*2。そして親指に人差し指を重ね腋下汗流(第ニの指パッチン)、中指を重ね衣服垢穢(第三の指パッチン)、薬指を重ね身体臭穢(第四の指パッチン)、小指を重ね不楽本座(第五の指パッチン)、そして指パッチンを完成させた後にクルっと一回転するのは、これはもうおわかりでしょう、すなわち輪廻を意味します」(話の特集82年6月号/「生まれた時から芸人だった」ポール牧インタビュー)。


思想があるからそれだけで素晴らしいとゆうつもりなどないけれど、思想の欠如に徹頭徹尾無自覚であるとゆう底抜けの楽観性はおそろしい。ある意味では飯を食って寝て起きて糞をする、生きる事そのものが思想であるといえなくもない。しかし、最低限先人に対するリスペクトの姿勢くらいは持ってほしかった。ひところ流行ったゲバラTシャツや今だに数多く棲息するなんちゃって和風ラスタファリアンと、仏道を知らず三秒に一度の指パッチンを繰り返す有名無名の若者たちには共通する精神のひもじさがある。石川啄木の有名な歌に「地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつつ秋風をきく」とゆうのがあるが、ぼくはポールの思想を無化する指パッチャ―たちの手首にまかれたイカリングを黒くぬりつぶし、《白痴の風》(ボブ・ディラン)に抗いたいのだ。

*1:http://www.tfm.co.jp/rainforest/guest/index_20050730.htmlいろんな所で紹介されてるから知ってる人の方が多いだろうけど、ここでサニーサイドアップの社長がしゃべってるのを聞いたらわかるけど、この人はちゃんと、貧困問題を解決するためには募金とゆう形ではあまり意味がない、これ(ホワイトバンド)は募金ではなく啓発活動であるって言いきってるし。それにこのイカリングでサニーサイドアップが利益を得ているのに、それをきちんと事前に説明していない(だから胡散臭い)、みたいな意見もあるけど、こおゆうのは募金の時と同じく「利益を得ていません」と書いておきながら利益を得ていたら詐欺だけどそんな事は書かれてない。イカリングで利益を得ているから、(そんなくだらない理由によって)ケシカランとゆうのはあまりにも短絡的な少年少女の論理だ。

*2:編集部註:『この第一の指パッチンというのは天に親指をかざしているだけなので「パッチン音」はなっていない。しかしポールはこの親指の動作そのものを指パッチンのはじまりだとして第一の指パッチンと呼んでいる。したがって少々ややこしいのだが、我々が聞くポールの指パッチンの最初の音(人差し指)は第二の指パッチン音という事になるらしい。』