「あつまれ どうぶつの森」

 昨日の夜中、寝る前に「細雪」を読んでいて、見合いに行く女たちの用意がなかなか終わらないのに貞之助がしびれを切らし始めた午後4時過ぎ、天気が変わっていく場面の書き方がな、この絢爛さよ、私だったらあれやで「外を見ると雨が降ってきて、次第に本降りになった」みたいな感じでただひらたく書いてしまいそうな所のこの谷崎先生の描き方よ、ぐわんぐわんなるでと思って、やっぱ酒飲みながら細雪を読むのはほんま贅沢やと思った。


 離れの書斎に逃げ込んでいた貞之助は、四時が過ぎてもまだ女たちの支度が済まないらしいので、そろそろ時間を気にしていたが、ふと、前栽の八つ手の葉の乾いた上にパサリと物の落ちる音がしたので、机に凭ったなり手を伸ばして眼の前の障子を開けて見ると、ついさっきまで晴れていた空がしぐれて来て、かすかな雨の脚が軒先にすいすいと疎らな線を引き始めていた。
「おい、雨やで」
と、貞之助は母屋へ駈け込んで、階段の途中から怒鳴りながら化粧部屋へはいった。
「ほんに、降って来たわ。ーー」
と、幸子も窓の外を覗きながら、
「時雨やよってに、じき止むわ、きっと。ーー青いとこが見えてまっしゃないか」
 が、そう云ううちに見る見る窓の外の瓦屋根が一面に濡れて、ざあッという本降りらしい音に変って来た。

 

(中公文庫「細雪」p67)

 昨日はほぼ一日中雨が降っていてずっと家にいた。それで、いまこのコロナのあれやこれやの時代、タイミングに「あつまれ どうぶつの森」が発売された意味について考えた。でかいで。うちの場合はSwitch本体ひとつにダウンロードでソフトを入れている。本体には私、子供、妻のアカウントがあって、それぞれ同じ島に住みながらそれぞれの家を建てて生活している。ゲームには島民呼び出し機能というのがあって、詳しい説明は省くが、3人が揃っている時にそれぞれがコントローラーを持って島でいっしょに遊ぶことが出来るのだ。お互いの家に行ったり、追いかけっこをしたり、釣りや虫取りをしたり、ハンモックに揺られたり、ぶらぶら散歩をしたり。コロナのあれで移動や外出にいろいろと制限がかかる中、どうぶつの森の島は平和で、わたしたちはそこで集合し、何もなかった頃のように遊び過ごしている。