なにもかも雑だ

 子供がゲームをする様子を観察していると、十字キーを押しながらAボタン、みたいな動作が苦手なのだなとわかる。十字キー(移動)なら十字キー、A(決定)ならAと単体でボタンを押して操作するのは出来る。たとえば人としゃべる時。その人の正面に立ちAボタン。セリフが流れる。それを次のセリフに送るためにAボタン。(買い物等で)選択項目が出ると十字キーで選んで、決定のAボタン。これらはいずれも1ボタンの単独操作なのでいけるのだ。しかし例えば建物に入る時、扉の前に立って十字キーを扉側に倒しながらAで入る。これが難しい。木をゆする時も、十字キーを木の方向に倒しながらAでゆする。このような複合操作が難しいのだと、子供の手元とゲーム画面を見ていて気付いた。大人の自分はまったく意識せずにやっているごく簡単な操作だけれど、子供がだいぶ手こずっているのを見て、あ、私が自然にやっている指先の動きひとつさえ、子供はこれから後天的に学んでいくのかとなんだか感心した。スプラトゥーンなんかでも強い選手層は十代である。感心した、なんてノンキに書いていられるのは今のうちで、すぐにどんなゲームでも私よりも上手になるだろう。おとといだったか、東京都知事が会見した直後から東京のスーパーでは生活用品の買いだめが始まったらしい。そりゃ不安になったら買いだめくらい行くやろうと思う。ツイッターのタイムラインを見ていたら、そういうのはよくないみたいなメッセージを伝えたくてか、あるいは買いだめに走るような人らを揶揄したくてか「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のキャプチャー画像が拡散されて来た。見なけりゃいいのにと自分で思いながらも見てしまい、内容そのものよりも、この画像に出典も何も記されていない事が気になった。新聞の人生相談記事とか読者投稿欄とかもよくスマホでパシャッと撮っただけのやつがSNSで拡散されているけど、内容ではなく、もう事の是非ですらなく、ただ出典が書かれているかどうかだけが気にかかる。ちなみに今(3月27日現在)ツイッターを「こち亀」と検索すればたぶんすぐに出てくる両津勘吉とメンコ屋のおばあさんの買いだめにまつわる話の出典はコミック89巻「1994年米騒動!の巻」。神経質なのでコミックを買って確認したのだが、ネットで出回っていた(私が見た)画像は、あたかも両津の「買い込んだのかよ 米!」から「50キロも買い込む主婦たちに聞かせたいな」のセリフまでが1ページの場面のようになっている。実際は、p73の一番上のコマ2つを切り取って、p74の一番上の横長のコマをp73の下にくっつけたという加工である。漫画作品のページ構成すら切り貼りして都合よく加工し、それが鋭い事言ってる風な感じで拡散される。なにもかも雑だと思った。