はてなダイアリー平民新聞

創業2002年か2003年、平民金子の元祖はてなダイアリー日記です。

板宿スペシャル

 

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山陽そば「板宿スペシャル」

キヨヤに餃子を買いに行く用事があったので、昼をどこで食べようかと考える。もっこす、と思い店の前まで行ったけど、たしかに昨日からずっともっこすのラーメンが食べたいんだけれど、私が昨日から食べたいのはニンニクとニラを入れたやつで、昼からそれをやるのもなあ、重いなあ、と迷って、結局何年もずっと気になりながらもどのタイミングで食べたらいいのかわからなかった「板宿スペシャル」を今こそ食べようという気分になった。しかし山陽そばの前まで行って強敵だったのは、冷やしシリーズが始まっていた事だ。冷たいのが食いてえよお、と誘惑されまくったけれど、ここで食わねばいつ食うねんと気合いを入れて食券を買う。出てきたやつは、なんというか、普通に美味しいソバだった。駅のポスターとかを見ていたからもっとめちゃくちゃなやつが来るのかなと期待したけれど、普通においしいやつだった。おにぎりもついてくるなんて山陽そばはやさしいな。キムチを買う予定もあったので、西代、新長田、苅藻あたりをぶらぶらと歩く。中山商店には初めて入った。阪神高速が近づいて、汚れた川沿いを歩いて、壁とか建物のすすけた感じというか。ううむ。そろそろ発売される『なnD7』で僕のインタビューがのっていて、「平民さんは関西出身だから、神戸に原風景みたいなのを感じたのですか?」(←適当に書いてる。実際の質問はもっとちゃんとしてるやつ)みたいな事を聞かれて、いやいやそれはまったくないですね、と答えたんだ。けど、色の少ない、排気ガス香るくすんだ町並み。阪神高速ぞいのなんていうか、こういう感じ、これは好きとか嫌いとかじゃなく、自分の原風景なのかもしれないと思う。いや、原風景なんて言葉を軽々しく使ってはいけないか。それはそれとして、歩くたびに思うんだ。震災前の長田、鷹取、苅藻、西代、駒ヶ林、なんかこのあたりの町を自分は見ていなかった、というのが痛恨だ。若い世代なら仕方ないけど、自分は遊びに行くことも出来たわけで、なぜ震災後の風景しか知る事が出来ないんだろうと思う。もっと知りたいと思うが絶対に手が届かない。その風景を知っている誰かに話を聞きたいわけでもない。自分が見れなかった、年代的にも場所的にも見る事が出来たはずなのに見ていなかったというのが、いつも悔やんでしまう。そういや『神戸在住』て漫画は徹底的に震災後の漫画なんだよな。作中、林くんと和歌ちゃんのエピソードは出てくるけれど、主人公は震災後の風景しか見ていない。この、届かない感じな。

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