43年間生きて来て、今日初めて尾崎豊「15の夜」をフルで聴いたんです。これまでサビの「盗んだバイクで〜」のところしか知らなくて、最初から聴いているとこんなにややこしい歌だったのか、とびっくりした。しかしこの歌を今だったら風呂に入りながら「へ〜」とか聴けるんだけど、もし15歳とかで聴いてたら、自分は無傷でいられるんだろうか……と思ったな。それくらいの力があるというのはわかったし、だから多くの人の心をつかんだんだろう、とかなんとか。そういうのって今さら気づくもんでもないか。お前いくつやねんと。十代の頃、私はラジオをよく聴いていたので、尾崎豊だと「太陽の破片」がすごく印象に残っている。これが1988年で、私が13歳、一番ラジオを聴いていた時で出たときにず〜〜〜っとかかっていたんだ。これ覚醒剤の後ですか。好きとか嫌いとかじゃなくて(「太陽の破片」は暗いなあと思って好きじゃなかった)、「ゆうべ眠れずに〜」の歌詞が今でも染み付いてるわ…。同じような感じで、ラジオに洗脳されて歌詞が染み付いてしまった曲は佐野元春「約束の橋」これが1989年か。あと「トレイントレイン」(1988年)な。これは斉藤由貴のドラマで覚えた。他なんかあるかな。こういうの思い出し始めるとキリがないのでやめとこ。二十歳くらいの頃か。音楽をいろいろと、幅広く聴きだすと、周りの人間(音楽好き)はけっこう中学生くらいでビートルズやストーンズにハマって、とかそういうのが多くて。私はそれをうらやましいと思った。あこがれたんだ。音楽エリートやなと思って。音楽だけじゃない。漫画にせよ、映画にせよ、小説にせよ、かっこいい人らがたくさんいた。そういう人らはみんな尾崎豊をバカにしてたな。で、彼らが尾崎豊を馬鹿にするというのは自然なものだと思うので別にどうでもいいんだけど、彼らにのっかって同じように(知りもせずに)馬鹿にしてた私はちょっと、あほやったなと思う。十代の頃って不安定で、一人ですくっと屹立できてる(できてるように見える)奴にあこがれるんだ。私は無意識的にであれ、なにかにすがろうとしていた。尾崎豊を聴きもせずに馬鹿にすることによって。というわけで今日は塩屋に行けず。明日こそ。