
酒の勢いも借りて、最近は積極的に人に会うようにしている。酒というアイテムがあると本当にラクだなと思う。シラフでしかいられなかったこの三年間は、知らない人と会うのがなかなかしんどかったけれど、酒さえあればそのしんどさはなくなる。この前のアメリカ人の取材にしても、酒を飲んでいなかったらおそらく断っただろう。というわけで酒の神様に二礼二拍手一礼し、トンボロさん(http://tombolo.jp/)と高橋さん(http://d.hatena.ne.jp/Evocacion/)に会ってきた。どちらも写真をやっている人なので、しゃべりやすかった。好きな写真家は?と聞かれて「須田一政」と答えた気がする。僕が写真に全然興味がなかった頃、だから十年くらい前か、仕事場に面白いやつがいて、よくしゃべった。彼の実家は長野県にあって、あるとき彼の里帰りに合わせて雪深い長野に遊びに行ったのだ。そこで何日か過ごして、酒を飲みながら色々話を聞かせてもらった。彼は東京綜合写真専門学校に行っていて、自分に写真を教えてくれた須田一政という人の事を、酔って話した。その頃ぼくは写真をやるのに学校なんていうものが存在するのだ、という事すら知らなかったくらいなので、彼が語った写真についての話はほとんど覚えていない。でも須田一政という名前だけは非常にリズムが良く、頭から離れなかった。それでま、その後ぼくも何故か写真を撮り始めた。