テレビブロスの連載最終回原稿を書き終えて、ようやく年があけた感じになった。たまっていたメールの返事を出す。ブロスに関しては、内容はともかく(それは読んでいる人が評価するものだから)、誰よりもクソ真面目に書き続けたという自信はある。ただ、その真面目さ、真剣さというのは効率の悪いものだし、書く者の熱意と読む者が感じる「面白さ」は比例しない。真剣に、クソ真面目に書いたからそのぶんだけ面白いというのなら、誰もが真剣に書くだろう。真剣に書くというのは別に偉いわけでも何でもない。難しいな。結局肩の力が最後まで抜けなかった。空回りしている気が、毎回していた。その辺が反省点といえば反省点で、どこからこういう機会がもらえるかはわからないものだし、もし次があるのならこの経験を活かしたい。とにかく、すごくいい経験になった。そのまま朝方に寝て、やっぱ寝る前に植木に水をやろうといったん起きて、水をやってから寝て、昼すぎに起きた。今日から新年という気分で、濃いコーヒーを飲んで気合を入れ、アパートの大家に電話をかけて四畳半の部屋を引き払う事を伝えた。すごく勇気がいった。東京に来てから十年間住んで色々あった部屋だから。何もかもがしみついている。この平民新聞も四畳半アパートと共にあった日記だから、あらゆる意味において自分の原点だと思う。もろもろ考えたら動けないのでとにかく勢いで電話をかけさらっと伝えた。それでも電話を切ったあと、何か呆けた気分になった。今月末で最後だ。部屋を片付けないとな。夜、下北沢leteにてmmm(ミーマイモー)ワンマンライブを見に行く。あいかわらず素敵な声だな。人の頭で見えにくかったから、けっこうな曲数を立って歌ってくれたのが個人的にうれしかった。でも座って歌っているほうが、本人は歌いやすそうだ。終わって、leteの扉を開けると、mmmが出口に置かれた椅子に座って煙草を吸っていた。「来てよかった」とだけ挨拶して帰る。富士そば。