夜のうちから日記を書きだし夜中に完成させ、朝がたに更新する。なぜ夜中にそのまま更新しないのかといえば、たとえば夜中2時とかに更新すると、たまたまそれを見た人から「うわッこいつこんな時間に更新してやんの…くっさー」とか思われたらどうしよう…とか考えてしまうのでヤだからだ。ようは自意識過剰であり私のささやかな心の病である。携帯電話のメモ帳には、なんとなくそのとき思いついたことが書かれてあって、たとえば月曜日「チグリス!ユーフラテス!福田康夫です!」とある。同じ日には「晩御飯はバナナです!福田康夫。です!」とあるから、その日私は辞任した福田康夫氏のことを考えていたのだろう。「ガイアのヤス」というメモもある。チグリス、という言葉から、私は乳首とクリトリスの合成生物を連想する。触手は二本、足が十六本、指でつつくと体をくねらせるその生き物は日本では現在琵琶湖の湖畔でのみ生息し、もとは外来生物である。明治時代、岩倉使節団構成員である福地源一郎一等書記官がパリの娼館を視察した際陰毛に付着させたものをそのまま持ち帰ったのが我が国におけるチグリスのルーツとされ、好事家の間ではペットとして飼うことがステータスとされており何をかくそう私も三匹のチグリスを飼っている。名前はアーチャン、のっち、あと一人誰だっけ…。ユーフラテスというのは私の生き別れになった妹だ。私はトルコからやってきた。坊主、大きくなったらトルコに連れてってやる、と幼少の頃私に耳打ちした西谷という男は近所に住む床屋の嫁と不倫し和歌山の温泉地に暮らしたのだが竜神の怒りに触れ首をくくった。もはや私をさえぎるものは何もない。ユーフラテスの温かい手が私の股間を包み三匹のチグリスは絶え間なく声をあげ私は、わかってるんだ!何もかも!犯人はおまえだ!とつぶやくのが精一杯。メッソ・ポタミア。ヒッタイト語で射精の意。旅はまだ、これからだ。
