2006-07-05 ■ ああ!思い起せば、はるか昔、まだ健康だった頃、デ・ゼッサントは暑い土用の真っ盛りに、家の中で橇に乗り、毛皮の外套にすっぽりくるまって、胸もとをかき合わせ、一心にがたがた慄えたり、歯をがちがち鳴らせたりする努力をしながら、次のように心の中で呟いていたものであった。「おお!何て冷たい風だろう。まったく、こんなところにいたら凍えちまいそうだ!」‐‐‐すると、まるで本当に寒い地方にいるかのような気がされてくるのであった。 (さかしま/ユイスマン)