金がないなあ、というのはいつもの事で、昨日は本を売りにいった。なるべく高く査定されそうなやつ(小熊エイジのクソ高い本とか)を選んで何十冊か持っていった。「エリック・ホッファーですか。私も好きでしたよ。波止場の日記は読まれましたか?」「私も漠さんファンなんです。あ、こんな伝記が出てたんですねえ」とかなんとか、おい、店主、おれになれなれしくハナしかけるのもいいけれど、ちゃんと査定してくれよ。四、五分後。合計で2200円でございます。ってか。いい加減にしてくれよ。まあでも、今の時代ホンなんてこんなもんか。おれも金ないしな。覚悟はしてたよ。ありがとう。帰り道。米を買い、酒を買い、煙草を買ったらなくなった。風呂にも行けない。肝心な時に頼りにならんな、小熊センセ、ケツくらい洗わせてくれよ、でもこれで、あんたとはおさらばだ。