いま履いているサンダルは雨が降ると底がひどくツルツルして歩きにくい。
土の上なら大丈夫なのだけど駅の構内とか舗装された道路なんかではかなりの確率でこけるのだ。それで梅雨時だし安物でもいいから靴が一足ほしいなァ、なんて思っていた矢先、下駄箱(アパート入口にある)に置きっぱなしにしていたそのサンダルが盗まれてしまった。ここに住んでから靴がなくなったのはこれで三足目であって、邪険に扱っていたものでもいざなくなってみると、なかなかにいとおしく思えてくるから不思議だ。けっこう履き心地はよかったのに。
まあ下駄箱の安全性に関しては入居した当時から管理人(ちなみに今は管理人不在の無法地帯である。昔いた管理人は善良ではあったのだが入居者から集金した家賃を持って夜逃げしてしまった)に注意されていたし、その頃いたお向かいさんからも「あの下駄箱に置くと絶対になくなるから気をつけて!」と同様の事を言われていたのであるけれど。でもまあおれが今いるこの部屋はニホンではなくアジアの安宿である。だから仕方がないのだ。いや、むしろおれが悪いのか。すいません。