ツタヤにてかりる。
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いちど凝りだすと飽きるまでどうにも止まらないおれはやはりここ何日かも夜中に出かけては近所撮影ばかりしているのである。そおゆえば思想信条の違いから袂をわかつ事になってしまった今は亡きカメラ師匠からおれは写真を撮るにあたっていくつかの禁止事項を言い渡された。いわく(1)自分を撮るべからず(2)ネコを撮るべからず(3)人を背中から撮るべからず(4)レンズを換えるべからず。・・・こおゆう事を書いて万がいちにでも誤解されるとイヤなので一応強くことわっておくけれど、おれも、またカ師匠も、自分撮りしている人や猫を好んで撮影している人の事を批判的にどおこお言っているのでは（断じて）ない。この禁止事項はカ師匠と俺とのコミュニケイションの中で（俺は実に我が人生における様々なアレヤコレヤをカ師匠にはぶちまけた気がする）、「デハ、ソウイウオマエニ向ケテ、俺カラコレダケハ言ッテオク」、とゆう言葉とともに、あくまでも俺個人に向けて発せられたものである。カ師匠は言った。「執念サエアレバアトハ何モイラナイ」と。
師匠、その執念とゆうやつは土門拳でゆうところの「念力」みたいなものですか？「オ前ガ土門拳ノ名前ヲ出スナンテ、百年早イヨ」とかなんとか。おれが最後にカ師匠と言葉をかわしたのは去年の終わり頃だったと思う。突然おれの部屋に現れたカ師匠が、誕生日プレゼントだ、「凝視スベシ」と言って一冊の写真集をくれた。鬼海弘雄の『PERSONA』である。
（続く・・・・・・とゆって続かない可能性85％）
